60代の私がランニングを始めた理由。

私は、61歳、今年の春、定年退職しました。

4年前に主人を癌で亡くし、2人の娘も嫁いで今は、一人暮らしをしています。私は、今、ランニングをしています。自分が、一人で生きていく糧の一つになっています。


主人は、癌と宣告されてから、わずか、50日でこの世を去っていきました。

私を一人残して往ってしまったのです。

 

突然の宣告と現実の中、私はどうやって生きていけば良いのか、全くわかりませんでした。

半年くらい、暗い落とし穴からは這い上がることもできず、仕事も休みをいただいたまま、ネガティブな生活をおくっていました。


 そんな私を見るに見かねて、友人の一人が私を、ウォーキングに誘ってくれました。

家から、一歩も出れなかった私を、外に出るように誘ってくれました。

 

人と会うのが嫌で、早朝、早く起きて、湖岸をウォーキングしました。

 

朝日を浴びてウォーキングするのは、今までの私の心を励ましてくれました。

朝日を浴びてウォーキングすることで元気をもらいました。

 

そんな時、同じように湖岸を走っている人たちが、輝いて見えました。

 

私も走ってみようと思い、見よう見まねで、走り出しました。

 

でも、運動経験のない私には、1km走ることも大変でした。

ハアハア、フウフウ息は途切れています。でも、その瞬間は、頭の中から、寂しいとか、辛いとかいう気持ちは全く消えていました。

 

いろんな煩悩が消えていき、走ることに集中するという事が快感に変わっていきました。


 たまたま、友人に誘われて、ランニングのクラブにも入ることになり、また、今までとは、違う友達の輪ができました。このクラブは大学生もいたり、上は65歳くらいの人まで、幅広い年齢層の人と話すこともできました。

 

この歳になると、なかなか年代を超えたお付き合いは、できません。

ランニングを通してまた、新しいつながりができました。

この歳になって初めて、クラブの飲み会にも参加しました。

 

何もできなかった私が嘘のようです。

 

人間、環境が変われば、こんな風に変わることができるとは、今の私も信じられない気持ちでいっぱいです。


 昨年は躍進の年でした。ハーフマラソンに参加したり、加古川フルマラソンも完走できました。今年の6月には隠岐ウルトラマラソン50kmに参加し、なんとか時間内に完走できました。

 

人間捨てたものでは、ないですね。

 

人生を捨ててしまいたいと思っていた自分が、今は、前を向いて走っている。

本当に私を誘ってくれた友人たちには感謝の気持ちでいっぱいです。

ポジティブに前を向いて歩むことができたことに今は、ありがとうと言う言葉しかみつかりません。